育休する漢

漫画3,000冊を所有し、3児(息子5歳、娘2歳、娘0歳)の父親であるアラフォー会社員が半年間の長期育休取得中の出来事を発信するブログです。 世に言う「イクメン」とは程遠い人間ですが、等身大の自分を発信します。

育児休業の取得理由 & 専業主婦の妻との目線合わせに失敗した話

 現在、日本の共働き世帯数は専業主婦世帯数の倍近くになっています。

平成29年版厚生労働白書 −社会保障と経済成長−|厚生労働省

よって、男性が育休を取る家庭も共働きが多いかと思いますが、2010年の育児・介護休業法改正により、専業主婦(夫)家庭においても、すべての労働者が育児休業を取得できるようになりました。

育児・介護休業法の改正のポイント

自分はこの専業主婦家庭でして、うちの妻は子供が生まれて以来、専業主婦です。今日は、そんな我が家で育休前におこなった夫婦間の目線合わせの話です。

 

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育児休業を取得するか否かに関わらず、家庭において夫婦間のコンセンサスが重要なのは言わずもがなです。日常の予定共有に留まらず、子育てや仕事、生活に対する考え方を共有、議論していくことは、家族の人生を豊かにしていくうえで必要なことだと思っています。いわんや育休期間においてをやです。

 

2年前、第2子が生まれた時も1週間ほど育児休暇を取りましたが、あっという間に終わってしまったので、妻も夫が育休を取ったという実感はなかったと思います。

しかし、今回は半年間と長丁場になるので、自ずと育休に向き合うスタンスも変わってきます。率直に言って「視座」が違います。

そんな背景もあり、育休前の3月に妻と育休の意義・過ごし方を話し合うことにしました。


話し合い前の準備として、男性の育児休業取得を推進する社会的背景を再度確認するとともに、自分は何を目的に育児休業を取得するのかを改めて考えました。

 

育児休業を取得する理由>

 

① 家族と濃密な時間を共に過ごしたい

これは理屈抜きで一番の理由だと思っています。子供もまだ小さい(息子5歳・長女2歳・次女0歳)ので、今しかない時間を大事にしたいと考えました。
以前、リンダ・グラットンの「LIFE SIFT」という本を読んだ時に思ったことがあります。人生100年時代を生きていくうえで、自分の中の「しあわせ」の形をある程度認識して意思を持って行動することが重要なのだ、と。そして、自分にとっての「しあわせ」で重要な位置を占めるのは家族との時間だと考えました。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)

 

 

 

② 育児・家事の分担によって、妻の負担を減らしたい

やはり、理屈で動いてくれない未就学児が3人もいると、毎日がなかなかのハードワークです。タイミングが悪いと、やるべきことが終わっていない状態で子供3人からの地獄の同時号泣責めにあうこともあるわけですから。
産後間もない妻の負担を少しでも減らしたいと考えました。

 

③妻とのコミュニケーションを深めたい

育児や仕事への考え方・今後のライフプランについて話し合い、夫婦の目線を合わせることにより、変化の激しい時代に対応していこうと考えました。

 

④ 社会の役に立ちたい

他国に類を見ない程少子高齢化のすすむ日本で、出生率を上げ、国として生産性を向上させていくためには、男性の意識改革は急務だと考えます。
会社でも珍しい長期育休取得者となるからこそ、社内外でポジティブな体験を発信して少しでもその一助となればと考えました。

 

「視座」だの何だの偉そうに語っておきながら大したこと言ってないな、と我ながら思いますが、異論・反論・オブジェクションがあったらリンダ・グラットン教授に言っていただければと思います。

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<育休前の妻との話し合い>

 

さあ、そして3月某日、妻との話し合いに臨みました。事前に万全の準備をしていますので、イクメンどころか気分は「育王」です。
ちなみに、「いくおう」と読みます。

子供たちが寝静まった後、リビングで妻との対話の場を設けました。
そして、既に眠そうな妻を前に、育王のプレゼンテーションが始まります。

 

少子高齢化がすすむ日本で生産年齢人口が減少している話から、生産性が低いことによるROEの低さ、出生率の低さ、女性の活躍推進の必要性、男性の残業・育児・家事への意識改革の必要性など、自分がインプットした話を定量データも交えながら伝えます。今まで参加したセミナーや講演での青野 慶久氏や小室 淑恵氏の資料なども見せながら熱量を持って伝えます。

社会的背景を踏まえて自分事として落とし込み、課題と解決の方向性を提示しているので、粗さはあるものの、そこそこ理屈が通った話です。その自負もあって、プレゼンテーションは熱のこもったアジテーションに変貌しつつあります。

 

しかし、妻は眠そう&腹落ちしていない顔。当然こちらは不満です。

 

「話聞いてる?」と聞くと、「要するに今すぐ働けってこと?」と言ってきます。「毎日忙しく体力もなくなっている今の状況でそんなこと考えられない」とにべもありません。
専業主婦の妻は、「昔と違って今は共働きが大多数で専業主婦はマイノリティ」という話に引っかかったようです。


妻は子供が小さい間は主婦として子供と向き合いたいという考えです。それはこちらも理解・承知しているつもりだったのですが、元々手に職を持っている人なので、今後それを活かしてマネタイズするプランなどを考えていこう、という話をしたかったのです。それは家計の助けにもなるし、妻自身の生き甲斐にも繋がると思ったのです。
しかし、育王のプレゼンによって、妻の今の生活・頑張りを否定してしまうような言い方になってしまいました。妻の毎日の負担や疲弊も考慮していない中での一方的な話になってしまっていました。失敗です。でも後の祭です。ってか育王って誰だ、という話です。

 

今回の失敗は、産後の妻への労りが欠けていた、ということにつきます。完全に眠そうだったし。自分の言いたいことだけを伝える場になってしまっていました。

 

2、3日経ってほとぼりが冷めた頃、今すぐ仕事するということではなく、今後のプランを少しずつでも具体化していこう、という話で落ち着きました。この経験を糧に、4月からの育休に臨んでいこうと育王は決意を新たにしたのでした。

 

あと育王なんかいない。

 

 

おわり